ダニエル茜

(文責・ボーン助谷)

私が言うのも何だが彼は律儀な性格なのに変わっている。説明は出来ない。ガリガリ体型は、おとぼけNo.1である。

おとぼけ創世記からセンパイともう1人以上のギター(テーラー八雲、人間善光)でやって来たが固定しない。そこで初期メンバーであるキーボードの蛤三太郎(田代修二)の紹介でメンバーになった。芸名の由来は、その無機質な大きな目が「少女マンガみたいだなぁ」ということから酒の席で盛り上がり、決定したような気がするし、最終的には本人も気に入っていた気がするが、今となっては定かでない。

センパイとのコンビネーションは絶妙で、お互いを巧く引き立てていて役割分担も見事に決まっていた。それもこれも性格の違い(律儀と無頓着)から来るモノだろう。おとぼけの香港レコーディングの時に同じホテルに約2週間同室で、他人には理解出来ない2人の世界を創っていた。ちなみに三郎と透、Daddyと岡野が続き部屋で、ゲスト達、私とカメラマンも続き部屋。飲み会はDaddyの部屋。各コンビは想像通りのくつろぎ方をしていたが、飲み会にもあまり参加しないし、部屋が少し離れていた彼らの生活振りは、口では説明出来ない異様さがあった。ギタリストが2人でいるとこうなるのか知らん。三郎とよく

「おめぇホントに意地悪だなぁ」

「サブちゃんこそ意地悪じゃん!」

「おめぇにゃぁ負けるよ」

「ウソこけ!サブちゃんこそあの時、ああしてこうしてイジメてたじゃん!」「何いってんだ!おめぇこそアイツの事泣かすまでイジメてたじゃんかよぉ!」

尽きない議論をしていたが、傍から見てドッコイドッコイだった。また岡野、三郎、茜の3人で誰が1番嘘つきかでも盛り上がっていた。他のメンバーは被害者達なので静かに傍観していた。

意外とガンコで引き下がらず、まぁ私が「参った!ゴメン!許してくれ!」と言っても「どこが参った!なんだよぅ。どこが許してくれ!なんだよぅ」なかなか許してくれない。こっちが疲れて来るとケラケラ笑って「あぁ面白かった!続きは明日ね。じゃあねぇ」遊ばれてたんかい!彼のストレス解消に付き合っただけだった。今度トッチメテやろうかと思うが、心優しい私は、てんでダメだった。

旅先で変なモノを買っては大喜びしてメンバーに見せてくれたり、トンデモナイ食い物見つけて食っては、のたうち回っていた記憶がある。一度「今凝っていてウマイから食ってみな」と言って胡椒が死ぬ程入った、妙な味の焼きソバをススメられた事があった。当然彼が作ったモノである。

「何だこりゃぁ!辛れぇし食えねぇよぉ」

「もっと食ってみろよ。ウマイから」

「ホントかよ」

無理して半分食べたが

「これ以上無理だ!ゴメン!」

「何言ってんだかなぁ。ウマイのにさぁ」

残念そうに皿を奪い返すと一口食べた

「ウッ!ウッ!失敗だ!」

「ふざけんな!半分食った俺の身にもなってみろ!何入れたんだ!」

「こんなハズじゃぁ無かったんだけどなぁ」

結局何を入れたのか教えてくれなかった。人に出すんだったら味見くらいしろよ!もしかすると、あれもイジメだったのだろうか?